読書メモ(エスプリとユーモア)その一

エスプリとユーモア (岩波新書)   1986/10 河盛 好蔵 (蔵書)

58ページ~60ページ

 

ニコルソン

1自発的な笑い

①一般的な幸福感から生じる、もしくは恐怖、困難、混乱、拘束からの突然の解放から生じる元気。

②洒落、パロディ(もじり)、地口、ナンセンスを含めて、あらゆる形式の遊び。

③好意的なからかい。また楽しさの感覚が、同情、心配、憐憫、嫌悪といった別の感覚によって妨げられない限りのジョーク。

④肉体的な不調和、奇形、グロテスク。

⑤なじみのないもの、新しいもの、優位のもの、ソフィスティケイトされたもの、旧式のもの。

⑥兵隊が歩調を乱して進行するとか、世間で慣用の語法をまちがうとかいう、画一的なものに対する明白な違反。

⑦船酔い、歯痛といった、危険を伴わぬ他人の不幸

⑧わいせつ、性に関する冗談。

⑨意図と行為の不一致が明白である場合におけるような不調和や矛盾の明白な現われ。

⑩道化、おどけ、はが騒ぎ。

 

2反省的な笑い

①機知 ②諷刺 ③アイロニー ④嘲笑 ⑤偽りの威厳、尊大ぶり、俗物根性などのような気どりの仮面をはぐこと ⑥精神的こわばり、偽の価値、無知の自己満足、理解の遅鈍といった精神的不具の暴露 ⑦微妙な釣合いのとれた平衡感覚がなければ認知できない、微妙ま形の不調和、矛盾、不合理